2012年11月18日日曜日

中堅社員のモチベーションを上げるには?

先日、NHKの特報首都圏という番組で、「社員のやる気 どう引き出す?~苦悩する中堅社員~」という番組を見ました。
この番組では、中堅社員を5年目~40代前半(管理職一歩手前)までと定義していました。中堅社員は仕事の経験を積み、一人で成果を出せるようになっている段階です。会社からは、次のステップとして一人ではなくより多くの人を巻き込み、さらに大きな成果を出してほしい、後輩の育成をしてほしいなど大きな期待が寄せられていると思います。しかし、JTBモチベーションズの調査によると、最近中堅社員は他の層の社員と比べてモチベーションが著しく低下しているとのことです。なぜ、中堅社員のモチベーションが下がってきているのでしょうか?

理由としては、
・成熟した市場のなかで閉そく感があり、自身の目標を持ちにくくなっている
・仕事のマンネリ化により、面白みや自身の成長を見い出せなくなっている
・厳しい経済環境のなか、中堅社員には現場の中核として、より少ない人数で高い成果を出すことが期待されている。しかも、自身の成果だけでなく、後輩の育成も求められているため、プレッシャーが高く疲弊してしまっている
などが考えられると思います。

番組では、中堅社員のモチベーションを上げるためには、社員の「承認欲求」と「成長実感」がポイントであると言っています。参考になることもありましたので、ご紹介します。

◆承認欲求
人にはもともと周囲から「承認されたい」、「受け入れられたい」という欲求があります。社員は、会社から必要とされているという感じることにより、モチベーションが高くなるとのことです。これは、中堅社員だけに当てはまることではありません。新人や若手の時は、育成観点で上司から承認されることが多かったかもしれません。しかし、中堅社員は成果を出すことが当たり前になり、さらに高いレベルの業務を期待されることから、会社から承認される機会が少なっているのではないでしょうか?会社の業績を上げるためには、中堅社員に対しても意識して承認し、モチベーションを上げることがとても重要だと思いました。
番組では、看板広告をしている会社を紹介していました。この会社は、JTBモチベーションズが実施した「社員モチベーション調査」で、全国4000社の中で、1位の高得点をあげました。バブル崩壊後に業績が悪化して、社員の離職率も高かったとのことです。しかし、社員のモチベーションを高い状態にする取り組みを意識的に行ったことで、業績がV字回復したそうです。例えば、毎朝、社員同士がペアになって大きな声を出して3本勝負のジャンケンをしています。お互いが笑顔で声をかけあうことでコミュニケーションが活性化されるとのことです。また、毎朝社員同士、仕事の努力を感謝し合う「Thanks card」を送り合うこともしています。お互いに感謝し、承認し合うことで、自分が必要とされているという実感が湧き、モチベーションを高く持つことができるのだと思います。
私はこの例を見て、モチベーションは、ちょっとした取り組みだけでも高めることができるのだと思いました。またモチベーションは一人で高めるのではなく、チームで高め合うことが有効であることを感じました。

◆成長実感
自分自身が一歩一歩成長していると実感することで、モチベーションが高くなるとのことです。先ほどの看板会社では、会社に求められるスキルをすべて洗い出し、それぞれのスキルを表にして職場に貼りだしました。そして、それぞれのスキルに対して、社員一人ひとりが今どれくらいのレベルにあるのかをシールの色で分かるようにしました(例えば、そのスキルに関して、教えることができるレベルは「赤」のシール、知識を持っているだけのレベルは「青」など)。それぞれのスキルに関しての習熟度が上がるとともに、シールの色が変わります。自身の成長が、目に見えて分かることで、より達成感を感じることができるとのことです。特に中堅社員はマンネリ化する傾向にあり、自身の成長を実感する機会が少なくなってくるため、目この取り組みは有効だと思いました。
私はこの例を見て、それぞれの社員が自身の成長を目に見えて分かるようにすることで、モチベーションを高めることができると思いました。また、他の人にも自身のスキルの状態が共有されることによって、仕事のお願いや、サポートなどお互いに協力しやすくなると思いました。

以上、中堅社員のモチベーションを上げる取り組みについて書いてきました。その他の取り組みとして、自分達でも自社の今後のビジネスを考え、チャレンジできる機会を持つことも有効だと思いました。さらなる成長のために、現場のことだけでなく視野を広げ、市場や競合の状況、自社の戦略を理解し、今後の新しいビジネスを考えることで、モチベーションを高くできるのだと思いました。

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