2012年11月4日日曜日

消費者のための製品づくり

先週のブログに続き、先週の日曜日に放送されたNHKスペシャルの「メイド・イン・ジャパン 逆襲のシナリオ」の第2回、「復活への新戦略」を見ました。

番組では、中国の家電メーカーのハイアールを紹介していました。ハイアールの主要製品は冷蔵庫や洗濯機などの白物家電です。ハイアールは、2011年に、三洋電機から冷蔵庫と洗濯機事業を買収し、今では世界165ヵ国以上で生産・販売をして業績も伸ばしています。
番組で紹介されていたのは、7年前から赤字が続いていた三洋電機が経営していたタイ工場でした。しかし 三洋電機からハイアールに経営が移ったことで、去年から黒字になりました。番組では、タイ工場が黒字になった理由として、工場内の組織や社員の意識が変わったことが一番の理由だと伝えていましたが、どのように社員の意識が変わったのでしょうか?

◆消費者のための製品づくり
番組では三洋電機時代から工場長として働いていた方が登場していました。三洋電機の時は、工場では、生産のことだけを意識して製品をつくっていれば良かったそうです。しかし、ハイアールに経営が変わり、消費者を徹底的に意識した製品づくりをすることを求められました。工場長として、販売台数を増やすという目標達成も求められます。そのため、工場長は、現在の売れ筋情報や消費者の嗜好に敏感になり、自主的に量販的へ調査に出かけています。そして、販売台数を意識して、消費者を意識したデザインも考え、デザインの変更もしているそうです。
また、三洋電機の時は、工場に他の部門からの情報が入ってきていませんでしたが、現在は、販売や研究開発の情報なども共有されるようになったとのことです。そのことにより、工場だけの狭い視点だけでなく、会社全体として消費者のための製品づくりを考えることができるのだと思います。

お恥ずかしいことですが、正直ハイアールのことは良く知りませんでした。また、中国の企業はあまり消費者のことを考えたモノづくりをしていないのではないかと思っていました。しかし、ハイアールがここまで徹底的に消費者を意識した製品づくりをしていることに驚きました。代表の張さんは、松下幸之助さんや稲盛さんなど日本の経営者からビジネスを徹底的に学んでいます。日本が油断していた間、中国をはじめ、他のアジアの企業は日本から学んでいたのだと思います。

私は、番組を見て、社員は消費者のための製品づくりへの情熱を本来持っている人が多いのではないかと思いました。しかし三洋電機の時は、消費者のニーズは他の部門が考え、工場は生産だけを行っていました。そのため、社員の消費者に対する製品づくりへの情熱が薄れてしまったのだと思います。ハイアールが成功した理由の一つは、工場の社員にも消費者のことを考えてもらうことで、社員の情熱を引き出し、社員が主体的に行動できたことだと思います。

NHKスペシャルの「メイド・イン・ジャパン 逆襲のシナリオ」の第1回と第2回を見て、当たり前のことですが、消費者のための製品づくりを徹底し、社員の情熱を引き出し、社員が主体的に行動する組織をつくっていくことが大事だと思いました。今後の日本の家電メーカーの今後の成長を期待しています。

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