2012年9月24日月曜日

仕事のなかで人を育てるには

みなさんにとって仕事とは何でしょうか?お金を稼ぐ手段、趣味などいろいろあると思いますが、私は、「自身を成長させる場」だと思っています。なぜなら、社会に価値を提供するために、努力をして新しい知識やできることを増やしていくことができるからです。
NHKのプロフェッショナルで、「仕事こそが、人を育てる」というタイトルに惹かれ、2007年に放送された南場智子さんの放送を見ました。南場さんは、株式会社ディー・エヌ・エーを1999年に設立して、12年間代表として会社を成長させ、2011年に療養中の夫の看病に力を注ぐため代表を退任し、取締役になりました。南場さんは、社員5人からスタートしたディー・エヌ・エーを、今では約2000名の会社に成長させました。南場さんは、経営者の仕事は、「強い組織・人材をつくること」と言って、様々な取り組みをしています。「仕事こそが、人を育てる」とのことです。南場さんは、仕事のなかで、どのように強い組織・人を育てる取り組みを行っているのでしょうか?

◆成功体験の機会を与える
南場さんは、苦しみを乗り越えて成功体験をすることで人が育つ。成功体験を積める機会を提供することが重要だと言っています。社員に、一歩大きなこと、難しいことを任せます。会社としては、社員には毎回同じことをさせたほうがリスクはありませんが、成長しません。例えば、番組では、社内で新規ビジネスに関して社員から企画を募集するプロジェクトを紹介していました、ゼロから企画を立ち上げさせて、社内で議論を重ねて練り上げる機会をつくることで、成長させる機会をつくっています。番組では、ネットで保険の営業とユーザーを結びつける企画を考えた人を紹介していました。彼は、2年前に自らの企画で新規ビジネスプロジェクトを立ち上げました。しかし、プロジェクトは2億円の目標を掲げてスタートしましたが、結局は1千万円にも届かず、失敗してプロジェクトは終了してしまいました。南場さんは、彼に成功体験を積ませることが必要だと考えて、企画に対して積極的にアドバイスや、個人的に相談に乗るなどしていて、忙しいなか、人の成長を真剣に支援する姿勢にはとても共感しました。

◆経営者が一番前のめり
南場さんは、新しい企画を考えた社員と話をする時に、少しでも面白い点があれば、企画を考えた社員以上に前のめりになることを意識しているそうです。企画を考えた社員に、企画の面白さを伝え、実現させるためにどうすればよいかを一緒に考えることで、社員のやる気を高めています。社員は、「この人のためなら仕事をがんばろうと思える」、「社員を牽引していくオーラを持っている」と発言をしていました。私は、リーダーは、この人のために仕事をしたいと社員に思ってもらうこともとても重要だと感じました。

◆大黒柱だから抜く
インターネットの業界はスピードが早いため、市場の環境変化に合わせて頻繁に組織も変えていったそうです。人事異動については、南場さんがすべて権限を持つようにしています。なぜなら現場は業績を上げるために、仕事ができる大黒柱を中心に仕事を行い、周囲のメンバーが育たないからだそうです。南場さんは、新規プロジェクトが立ち上がる時など、あえてそれぞれの部署の大黒柱を引き抜きます。現場のリーダー達から抵抗されることが多いとのことです。しかし、大黒柱を失うことで、他の現場社員は危機感を感じて、がんばることで次の大黒柱が育ってくるという信念を持ち、リーダー達と本人を説得して異動してもらうとのことです。
大黒柱がいることで他の人は頼ってしまい、能力を発揮できてないとすると、とてももったいないと思いました。大黒柱が抜けた分を補うために、残された社員達は、それぞれが危機感を持ち努力することで、成長していくのだと思います。

南場さんは経営者として、「強い組織・人材をつくる」ために、様々な取り組みを紹介しました。社員一人一人が主体的に行動し、チャレンジしていける場を意識して創り出していると思いました。ディー・エヌ・エーの組織の基本理念は、南場さんの考え方を表していると思いました。
ディー・エヌ・エーの組織の基本理念「球」とのことです。ホームページでは、
・球の組織
DeNAの組織の基本理念は「球」です。社長を頂点とするピラミッドではなく、ひとりひとりが表面積を担う球のイメージです。誰も他の人の影に隠れることはなく、新米社員も含め、必ずDeNAを代表するフィールド(表面積)を持ってもらいます。
・成長=より大きな表面積を担うこと
「球」の組織におけるメンバーの成長とは、各自が自らの責任を全うし、より大きなフィールドを担うようになることです。多様な個性を持ったメンバーが表面積を広げることが、「球」の拡大、すなわち、DeNAが社会に与えるインパクトの拡大につながります。と書かれています。
一人一人が会社の代表としての意識と責任感を持ち、常にチャレンジして能力を発揮していくことで、組織が強く・大きくなっていくのだと思います。
私は今回のブログから、自身を成長させるために、常に一歩大きなこと、難しいことに挑戦していくことが大事だと改めて感じました。新しいことに一歩踏み出すことは、躊躇してしまう気持ちもありますが、自身を成長させるためにはとても重要なことだと思います。

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