2012年8月12日日曜日

なでしこジャパンの強さの秘密とは

連日オリンピックの観戦で、寝不足の方も多いと思います。メダルに向けて真剣に取り組んでいる選手の姿や、メダルを獲得した選手を見て、毎日感動をもらっています。個人的にはサッカーに注目していましたが、なでしこジャパン、銀メダルでしたね!男子は惜しくもメダルを逃してしまいましたがよく健闘したと思います。

なでしこジャパンは、2011 FIFA女子ワールドカップで優勝、オリンピックで銀メダルと、チームとしてとても成長し、強くなりました。練習や試合中の選手の様子を見ていると、選手達は明るく伸び伸びと、楽しそうにプレーをしています。また、試合後にほとんどの選手は、「最高の仲間と戦えて誇りに思う」、「このメンバーと戦えて幸せです」とコメントしていて、チームとしても雰囲気は良く、お互いに信頼し合い、プレーをしていることが伝わってきます。

なでしこジャパンはなぜ、ここまで強くなれたのでしょうか?

なでしこジャパンの強さの理由として、戦略・戦術や、フォーメーション、技術などいろいろあると思いますが、チームワークやリーダーシップという観点で、なでしこジャパンの強さの秘密を考えていきたいと思います。

なでしこジャパンの強さの理由は、以下3点あると思います。

1. 仲間を思いやり共感する
佐々木監督は、著書の「なでしこ力」の中で、なでしこジャパンの強みは、「仲間を思いやり共感する心」と言っています。辞書で調べたところ、「思いやる」とは、「他人の身の上や心情を推し量って、同情する。また、配慮する。」という意味です。また、辞書で「共感」するとは、「他人の意見や感情などにそのとおりだと感じること。また、その気持ち。」という意味です。チームメンバーのことを思いやり、自分事として共感し合うことで、お互いの課題に対して助け合い、落ち込んだ時には励まし合うことで、チームとしてお互いに力を高めていったのではないかと思います。

また「思いやる」には、「遠く隔たっている人や物事を思う。思いをはせる。」という意味もあります。オリンピック代表として試合に出られているのは、自分や自分達の力だけでなく、オリンピックに出たくても選ばれなかったすべての選手、スタッフの方々、応援してくれている方々、家族などお世話になった方々がいたからという思いを共有できたからこそ、チームとして一丸になって戦えたのではないでしょうか。
オリンピック初戦であるカナダとの試合開始直前のロッカールームで、キャプテンである宮間選手は、「ここに立てるのは選ばれた18人だけ。大切な思いや大切な人たちがいて、私たちは戦っている。ここからの6試合、お互いのために戦おう」とメンバーにメッセージを送りました。佐々木監督、チームメンバーは、宮間選手の言葉を聞いて、強く心を動かされて、みんなのために金メダルを絶対に取るという気持ちが強く働いたのではないでしょうか。


2. 自分らしさを最大限に発揮する
佐々木監督は、コーチを語源である「馬車(人をある地点まで送り届ける)」としたら、選手は「乗客」であると言っています。選手は「馬」で、ムチで叩いて目標に向かわせるのではなく、「乗客」である選手を目標の地点まで送りとどけることとのことです。そのために、コーチとして、「選手の力を引き出す」ことが重要であるとのことです。

佐々木監督は、前述の「なでしこ力」の中で、選手達に対して以下を意識して行っていると書いています。

・自ら考えさせる
サッカーの試合は、いったん試合が始まったら、監督ができることはあまりありません。試合のなかで、選手達自身が一つひとつ判断してプレーをする必要があります。佐々木監督は、監督が簡単に指示をしてしまったら、選手達の判断は絶対に身に付かないと言っています。監督は勝たせなければ、教えなければという想いが強くなり、型に当てはめてしまいがちだとのことです。規則や指示で選手を管理するのではなく、自ら考えさせ判断をさせることが重要とのことです。

・強みを活かす
佐々木監督は、選手の強みを活かし伸ばすことを意識して行っているとのことです。選手の強みを見抜き、本人にその強みが武器になることを伝え、強みを伸ばす。そして、適材適所で強みが活かせるポジションを与えるようにしています。なぜなら、本人がサッカーをもっとうまくなりたいと思うからこそ努力をし、強みを活かせる場を与えられたことで成長するからとのこと。選手の弱みを指摘することだけでは、本人は成長しないし、チームの力も成長しないとのこと。また、難しいことでも、「無理だ」と最初から諦めるのではなく、「まずはやってみる」ことを伝え、相手を信じ、「必ずできる」と伝えているとのことです。

・自分らしさを表現させる
佐々木監督の指導理念は、「選手に自分らしさを表現させる」とのことです。そのために、選手の前では、身構えず常に心を開き、等身大の一人の人間として振舞っているとのことです。自分らしさを表現できる、何でも言いやすい雰囲気づくりをするためとのこと。自らの感性や個性を大事にして伸び伸びと表現してもらうことで、自ら誇りと自信を持ったプレーができるとのことです。佐々木監督はインタビューでは、冗談をよく言っていましたが、「笑い」を大事にしていて、練習や、ハーフタイムの時に冗談を言って笑わせています。これにより、選手達はリラックスして、自分らしさを出せるようになると思います。

3. 楽しむ
試合では、キックオフ直前に、選手達が円陣を組んでいる時や、各ポジションに走っている時に、選手達の笑顔がとても印象的でした。緊張していてプレッシャーがあると思いますが、自然と笑顔が出ている姿を見て、楽しんでいることがとても伝わってきました。佐々木監督は、選手が楽しくサッカーができるように、何ができるかを考えているとのことです。練習では厳しいようですが、試合では、練習してきたことも大事だが、一番大事なのは「好きなサッカーを思う存分楽しむこと」と伝えているようです。ロッカーのホワイトボードには、細かい戦術ではなく、「楽しむ」と書いていたこともあったようです。

なでしこジャパンから、仕事で強いチームになるために、学ぶことがたくさんあると思います。

最後に、女性を部下に持つ方にとって、とても参考になる話がこの本に紹介されていたのでご紹介します。女性は、男以上に細かい点に気づきや、人に対する気持ちに敏感であり、仲間意識を重要視するとのことです。身だしなみに関しては、仕事でどんなに良い意見を伝えたとしても、鼻毛が出ていたことで、信頼と尊敬が減ってしまうとのことです。また、無表情であったり、すこしイライラすることだけで、女性は敏感に反応して委縮してしまったりするそうです。男性社員は女性社員に接する時には気をつけていきたいですね。

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