2012年7月16日月曜日

エンゲージメントとは(会社と個人の関係性について考える)

みなさんは「エンゲージメント」という言葉を聞いたことはありますか?人材育成や組織開発の分野で、会社と個人の関係性を表す言葉として、数年前から良くこの言葉を聞くようになりました。英語の辞書で「engagement」の定義を調べてみたところ、「婚約、結婚の約束」という意味でした。会社と個人を「婚約」にたとえて、お互いにパートナーとして高め合い、未来を築いていくことが求められてきているのかもしれません。

エンゲージメントの定義は様々あります。以下に、いくつかご紹介します。
・「組織(会社)」と「個人(社員・構成員)」が一体となって、双方の成長に貢献しあう関係(HUMAN VALUE)
・社員の会社に対する「愛着心」や「思い入れ」を表すものと解釈されますが、より踏み込んだ考え方としては、「個人と組織が一体となり、双方の成長に貢献しあう関係」のことをいいます。(日本の人事部)
・この会社にいれば、自分のありたい姿に向かって成長できる。しかも、自己実現のための努力が会社のビジョン実現にも貢献できると思う社員が多い状態(日経情報ストラテジー)

最近エンゲージメントが注目されてきた背景としては、
・社員の仕事に対する考え方が変化してきて、仕事に対して金銭的な報酬だけではなく、仕事を通して自己実現ややりがい、社会貢献の意識を持つ社員が増加してきている。
・雇用形態や価値観の多様化により、仕事に対してやりがいを持って働いてもらうために、より個人一人ひとりに合わせた対応の必要性が高まってきている。
・人材の流動化が進み、社員はより自分に適した場に転職してしまう傾向にある。
などが考えられると思います。

アメリカに調査機関でギャラップ社という、エンゲージメントの調査で有名な会社があります。300万人の社員、20万人のマネジャーの分析を行った結果、組織のパフォーマンスに最も影響を及ばしているのは「エンゲージメント」であるという研究報告を出しています。個人にとって、報酬や福利厚生などに対する満足度などよりも、自己実現による成長が企業のパフォーマンスに強く関係しているとのことです。そして、エンゲージメントを高めるためには、現場のマネジャーが重要な役割を担っているとのことです。リッツ・カールトンという顧客サービスで他のホテルから一目置かれている有名なホテルは、このギャラップ社のエンゲージメントサーベイを活用しているそうです。社員のやる気を高めることで、顧客サービスを高めることに取り組んでいます。

ギャラップ社によると、エンゲージメントの状態は、以下の12の質問項目を社員にアンケート調査することによって測定できるとのことです。

1. 私は仕事の上で、自分が何を期待されているかが分かっている 
2. 私は自分の仕事を正確に遂行するために必要な設備や資源を持っている 
3. 私は仕事をする上で、自分の最も得意とすることを行う機会を毎日持っている 
4. 最近1週間で、良い仕事をしていることを褒められたり、認められたりした 
5. 上司または職場の誰かは、自分を一人の人間として気遣ってくれている 
6. 仕事上で、自分の成長を励ましてくれる人がいる 
7. 仕事上で、自分の意見が考慮されているように思われる 
8. 自分の会社の使命/目標は、自分の仕事を重要なものと感じさせてくれる 
9. 自分の同僚は、質の高い仕事をすることに専念している 
10. 仕事上で、誰か最高の友人と呼べる人がいる 
11. この半年の間に、職場の誰かが自分の進歩について、自分に話してくれた 
12. 私はこの1年の間に、仕事上で学び、成長する機会を持った


みなさんの会社のエンゲージメントの状態はどうでしょうか?

強い組織にするためには、このエンゲージメントという考え方は非常に参考になると思います。
会社としては、方向性を明確にし、社員一人ひとりが仕事で何を実現したいのかを理解し、社員の自己実現を最大限にサポートすること、そして、個人としては、目標を明確にし、会社を通して自己実現に取り組んでいくことが重要だと思います。


実際の夫婦でも、お互いに高め合って成長し合える「エンゲージメント」が高い関係性にしたいものです。


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