2012年6月24日日曜日

サッカーの岡田監督から学ぶ強いチームとは



少し前になりますが、先月の5/21にNHKのプロフェッショナルという番組で、サッカーの岡田武史監督を紹介していました。みなさんもよくご存じだと思いますが、2010年の南アフリカワールドカップでは、日本代表をベスト16に導き、すばらしいチームをつくり上げた監督です。強いチームをつくることに関して、とても興味深い内容でしたので、ご紹介したいと思います。

「自ら考え、動けるチーム」
監督は、一方的に指示をするのではなく、「考えさせ、気付かせる」ことを重視しています。自ら考えて、自分の意見を伝え、行動できる選手を育てるためです。そのために、選手が自由に意見を言える雰囲気づくりを重視しているとのことです。練習では、ほとんど指示や答えを教えず、自ら考えさせて気付かせる手法をとっています。今の選手やチームの課題は何か、課題を乗り越えるためには何が必要かを徹底的に考えて、「気付かせる」メニューを都度考えて練習を行っています。しかし、このスタイルになる前は、選手に徹底的に戦術を教え、理解させるやり方を取っていました。選手は戦術を理解し、監督の言葉通りに動くことである程度までは成果を残せたそうです。ただ、監督の考えを越える戦術は生まれない。世界で戦うためには、自ら考え動ける選手・チームを育てることの重要性に気付いたとのことです。
仕事でもリーダーとしてチームのマネジメントをする上で、岡田監督の考え方はとても参考になると思います。ビジネスの環境変化が早く、メンバーも多様化するなかで、リーダーがメンバーにすべて指示・命令することで成果を出すことは難しくなってきていると思います。リーダーは、チームに「考えさせ、気付かせる」ことにより、自ら責任を持ち、考えて行動できるチームをつくるこができると思いました。

「勝負の神様は細部に宿る」
勝負は、戦術面やフォーメーションで決まるのではなく、一人ひとりが「大丈夫だろう」、「少し手を抜こう」という少しずつの気持ちの積み重ねで負けてしまうと言っています。例えば、1回マークを外してしまったり、大丈夫だろうと思ってスライディングをしなかったり。それを、岡田監督は「勝負の神様は細部に宿る」と言っています。岡田監督は、小さなことをきっちり丁寧にやることに、とてもこだわるとのことです。この話も、仕事で、つながることが多い話だと思いました。一つひとつの仕事を真剣、確実に行う、「あたり前のことを、当たり前にやる」ことで、仕事の成果も変わってくると思います。また、一人ひとりがこの意識で仕事をすることで、とても強いチームになるのではないでしょうか。当たり前のことかもしれませんが、難しくとても重要だと実感しました。

現在、岡田監督は、2012年から中国サッカー・スーパーリーグの杭州緑城足球倶楽部で監督を行っていますので、どんなチームが出来上がるのか、注目していきたいと思っています。

2012年6月17日日曜日

組織で働く上で大切な行動とは


6/12のワールドカップ最終予選、日本対オーストラリアの試合は、アウェーのなかで日本代表は良く戦いましたが、勝ってほしかったですね。前回のブログで、「サッカーから学ぶリーダーとは」というテーマで長谷部選手のことを書きました。その長谷部選手の試合後のコメントを聞き、チームのキャプテンとしてさすがだなーと思いました。彼は、「この3連戦では、なかなか出番が少ない選手がチームのムードをよくしてくれたので、あとで声をかけたいです」と言っていました。チーム全体を見て、試合に出られず悔しい思いをしている選手のことも考え、チームのバランスを整えていると感じました。これが、チームの一体感・力を引き出すことに繋がっていて、発言もこれを常に意識していると思います。長谷部選手の行動は他の選手にも良い影響を与えているのではないでしょうか。2010ワールドカップでは、得点を上げた選手は、まずベンチに行って控え選手と喜びを分かち合う姿が印象的でしたね。

今回のブログもサッカーの長谷部選手のネタになりますが、彼の著作である「心を整える」のなかから、今回は、組織で行動する上で重要だと私が感じたことを書いていきます。

■「チームメイトから食事に誘われたら、絶対に断らない」
長谷部選手は自分は引っ込み思案な性格と言っていますが、海外へ移籍後、積極的に自分から話しかけることや、試合後にチームメンバーから食事に誘われたら断らないことを意識して行動していたとのことです。練習や試合の時間以外でもチームメンバーと時間を共有することで、チームメンバーの意外な一面を知ることや、自分のこともより理解してもらえ、信頼関係を築くことができると書いています。仕事で考えてみると、最近は仕事以外での飲み会などつきあいも減ってきているようですが、お互いに信頼関係を築き、組織として力を発揮するためには、仕事以外の飲み会などで関係性を深めることはとても重要だと思いました。

■「監督の言葉にしない意図・行間を読む」
先発から外され、控え選手としてベンチから試合を見ている時は、とても落ち込み、ふてくされてしまう気持ちになってしまうことが多いようですが、ベンチに座っている時こそチャンスであると長谷部選手は言っています。なぜなら、監督がどんなプレーを評価しているかを、すぐ間近で観察し、学ぶことができ、自分のプレーに活かすことができるからとのことです。また、プロになった初めの頃は、遠慮せずにガツガツやろうと思い、監督と意見が異なった時にすぐに反論をしていたとのことです。しかし、Jリーガーになったことで天狗になっている自分に気付き、監督の言葉を表面的に捉えるのではなく、常に監督が発した言葉の意図は何かを汲み取り、行動することを意識するようになったとのことです。仕事で考えてみると、部下として、謙虚な心を持ち、自分の意見を優先する前に、上司が気にしていることは何かを考え、言葉の意図を汲み取って行動することがとても重要だと思いました。

以上、長谷部選手からは、組織で働く上で大切な行動を多く学べると思います。自分自身も仕事で、意識して行動していきたいと思いました。

2012年6月10日日曜日

サッカーから学ぶリーダーとは


一昨日のワールドカップアジア予選の日本VSヨルダン戦は、日本圧勝でしたね。私はリアルタイムで試合を見ることはできず、とても残念でした。香川、本田、長友など海外で活躍する選手も増え、個人としてサッカーのスキルが高くなり、今後の日本代表の活躍が楽しみですね。


私は、日本代表を見ながら、どのようにすれば強いチームができるのか、チームのリーダーはどのような行動をすれば良いのかも考えながら日本代表を応援しています。例えば、日本代表のメンバーである長谷部選手は、南アフリカで開催された2010ワールドカップからキャプテンになりましたが、長谷部選手がキャプテンになった時、正直な印象としては、今までとはまったく異なる新しいリーダーが出てきたと感じました。みなさんはどう思いましたか?みなさんは、リーダーにふさわしい人物としては、どのような人をイメージしますか?


リーダーは、突出した才能を持ち、チームメンバーに方向性を示し、ぐいぐい引っ張ってくれる人というイメージが強いかもしれません。しかし長谷部選手は、彼の著書である「心を整える」のなかで、キャプテンとして、「自分には一目で分かるような突出した武器がない」、「みんなを引っ張るリーダーではなく、組織の乱れを正していく」、「なるべく全体を客観的に見まわして、チームに足りないことを探し、チームを整える存在」を意識して行動していると書いています。チームのバランスを最優先で考えて、声を出す選手が少なければ自分からどんどん声を出す、みんなが熱くなっていたら冷静になる、チーム内で潤滑油になり、メンバー間のコミュニケーションを促進することを実践することでリーダーとして信頼を得て、結果を出していると思います。


長谷部選手は、チームの方向性を決め、引っ張っていくリーダーではなく、チームが最大限に力を発揮できるための環境をつくる、メンバーの力を引き出すリーダーであると私は思います。長谷部選手は、個人としては目立たないかもしれないが、常にチームを最優先で考え、チームが成功するためには何が必要かを考え、どれだけチームに貢献できるかを一番考えて行動していて、とてもすばらしいと思いました。


サッカーなどプロスポーツの世界は競争が激しく、誰もが他のメンバーに負けたくない、良く見られたいと、自身の成果のみを考えてしまうことが多いかもしれません。確かに自身の成長のためには必要なことですが、リーダー、そして、一人ひとりがチームの成果を考え行動することで、とても素晴らしいチームになると思います。


今回のブログを書いていて、私自身も仕事のなかで、チームの成果を考え、自分ができることを率先して行動するように意識していきたいと思いました。

2012年6月3日日曜日

体験学習を新入社員研修に使うメリットとは


こんにちは。この季節になると新入社員のみなさんは研修も終わり、配属先で既に活躍されている方も多いと思います。しかし、新入社員研修の担当をされている方から、学生から社会人として意識を変えることが難しいというお話をよく聞きます。今週のブログでは、新入社員の意識を変えるための一つの方法として、研修で体験学習を使うメリットについて書いていこうと思います。

◆チームで働く上で重要な行動を腹から理解できる
仕事をする上で学生時代と大きく異なることの一つは、個人ではなく、チームで目標達成に向けて取り組み結果を出すことだと思います。今まで私が新入社員研修を実施していた経験から、最近の新入社員はあまりチームで目標達成に向けて取り組んだ経験を持っている人が少ないように感じています。理由の一つとして、学生時代に部活やサークルに入っていた人が少ないからかもしれません。体験学習では、チームとして目標に取り組むために重要な行動(例えば、目的・目標を全員で共有する、役割分担を明確にする、全員が主体的に行動するなど)をアクティビティで腹から理解することができます。

◆会社の行動規範を腹から理解できる
会社によって、社員に期待する行動として行動規範を明確にしている場合があります。新入社員にこの行動規範を言葉で伝えることは簡単ですが、重要性を理解してもらうことはとても難しいことだと思います。体験学習のアクティビティを通じて、行動規範を一方的に伝えるだけでなく、自ら体験し実感することで腹から納得して理解してもらうためには有効です。私は過去、ある学習塾の社員に体験学習の研修を実施しました。この会社は生徒に夢を持つことと、夢に向かってチャレンジすることの大切さを理念として掲げていました。理念を実現するためには、生徒の前に、まず社員が理念を実現していることが重要と考え、会社の行動規範として以下を社員に求めていました。

・高い目標を持つことの大切さ
・チャレンジ
・チームワーク

以上の行動規範は、頭で何となく分かった気になりますが、腹から理解し、行動することは難しいと思います。研修では、この行動規範を社員が実体験として理解して行動ができることを目的に行いました。実際の研修では、自分達で高い目標を設定してチャレンジしていくアクティビティを通して、行動規範の内容を実践することの難しさと、自分ごととして腹から理解することを行いました。

◆同期の連携が強化できる
アクティビティで、お互いに一つの目標に向かって本気で取り組み、本音で意見交換をすることで、お互いの関係性が深まり、何でも言い合える関係性を築くことができます。研修が終わり、各自ばらばらの部門に配属されても、悩みがある時には相談しお互い支え合う関係性を持つことができます。また、部門間の情報交換が促進される効果も期待できます。

以上、体験学習を新入社員研修に使うメリットについて書いてきました。効果が高くおすすめです。ぜひお試しください。