2012年4月28日土曜日

アクティビティの振り返りで陥りがちなこと


前回は振り返りの注意点について書きました。今回も振り返りについて、私の経験から陥りがちなことと、自分が気をつけていることをご紹介したいと思います。

①研修の目的・落とし所を見失ってしまう
振り返りを行っていて、参加者からの様々な感想や意見に振り回されて、講師は振り返りの目的を見失ってしまうことがあります。そして、参加者は、振り返りの最後の時点でたくさん話をしたが、結局今回のアクティビティを何のために行ったのか、何が重要なのか分からないまま終わってしまうことがあります。

振り返りでは講師は常に目的を意識し話しの場をコントロールして、話がずれた時は目的に立ちもどれるようにすることが重要です。そのためには、事前にアクティビティを行う目的は何か、どのような気付きを出したいのかを明確にして振り返りに臨む必要があります。

②自分の評価を考えてしまい、参加者の話が聴けない
講師が振り返りを行っている時に、「講師として良いことを言わないといけない」と考えてしまうと、参加者にフォーカスできなくなり、話を聴けなくなってしまうことがあります。これは、参加者やお客様の担当者から講師として良くみられたい、良い評価を得たいと考え過ぎてしまう時に起きがちです。

私が気をつけていることは、常に自分と参加者のどちらを考えているのかを意識するようにしています。自分のことや評価を考えていたら、その思考は停止します。そして、参加者の話をしっかりと聴く意識を持つようにしています。

③自分の意見を押し付けて誘導してしまう
アクティビティの目的・落とし所はありますが、講師が目的を達成するためにあせってしまうことがよくあります。例えば、参加者の発言に対して良い悪いと評価してしまう、講師から決めつけで意見を伝えてしまうなどを行ってしまいます。それにより、参加者から結局講師は正解としこれを言わせたいんだと思われてしまい、納得感のある気付きにならない可能性があります。アクティビティのツールを使う目的は、一方的に主催者側が伝えるのではなく、アクティビティの体験を通して納得感のある気付きを得るために行っています。講師の意見を押し付けて誘導してしまうことで、参加者が自ら気付き、納得感を持った気付きを得る機会を無くしてしまいます。

振り返りの最後にアクティビティの目的や自分の考えを伝えても良いかもしれません。しかし、参加者が納得感を得るためには、最初は参加者の意見を聴きだして、他の参加者の意見も聴きながら徹底的に議論をするプロセスを経ることが重要だと考えています。

以上、①~③まで振り返りで陥りがちなことご紹介してきました。振り返りはとても難しいですが、講師は参加者の意見を引き出し、納得感を持った気付きを得るために最大限の支援をすることが重要だと考えています。

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