2012年4月1日日曜日

アクティビティの紹介(ブラインドウォーク)



今回のブログでは、体験学習に関して、アクティビティをご紹介
いたします。ぜひ社内でも機会があれば試してみてください。

ご紹介するアクティビティは「ブラインドウォーク」といいます。
体験学習のアクティビティとしては有名でご存じの方も多いと思います。
ブラインドウォークは、2人一組のペアになり、一人は目隠しをします。
目隠しの人に目を開いている人が指示を出し、スタートからゴール
まで他のペアと競争してなるべく早くゴール行くことがミッションです。
広い室内で行う場合は、スタートからゴールまでは机や椅子、段差など
障害物があります。
(実際に行う時は安全に注意して行ってください。)

ルールは以下です。
・ゴールは目を開いている人にのみ伝えます。その間、目隠しの人は
スタートで待っています。
・目を開いている人は目隠しの人の体に触れることは
できず、声だけで指示をします。

このアクティビティの目的は、情報の格差がある(目隠しをしていて
状況が分からない、目隠しをしていないため状況が分かる)なかで、
情報を持っていない(目隠しをしている)相手に対して、効果的な
指示の出し方を体感します。

さて、いよいよアクティビティを開始します。スタート地点で
ペアの一人が目隠しをして、目を開いている人が指示をしてゴールに
向かいます。

ブラインドウォークを実際に行うと、目を開いている人と
目隠しをしている人はどのような状態になるのでしょうか。

【目を開いている人】
・スタート直後から、ゴールはどこかを伝えずに具体的な動き方の
指示を出す。例えば「そのまままっすぐ」「右に少しずれて・・・」など
・目を開いている人から目隠しをしている人に対して一方向のコミュニ
ケーション状態が最後まで続く
・「もう少し前に行って・・」「あとちょっと前」などどれぐらい動いたら
よいか分からない指示や、 「窓側の方に行って・・・」など、
目隠しの人には分からない指示をしてしまう場合もあります。

【目隠しをしている人】
・どこに向かいゴールはどこなのか、周囲の状況はどうなのか分からず
不安になる。
・物にぶつかったりつまづいたりしないか不安になる
・言われたことのみを行う受身の状態になり、何も話さなくなる
・指示があいまいで、どれくらい動いたら良いのか分からない

ブラインドコミュニケーションが終わった後に、アクティビティで感じたこと
に関して振り返りをします。特に目隠しの人から目を開いている人に対して
フィードバックをすることによって、目を開いた人がどのように指示
をすれば良いのか多くの気付きがあります。

目隠しの人から良く出てくる意見としては以下です。

・動き方を指示をする前に、ゴールはどこで、どのようなコースを行くのか
説明をしてほしかった
・物にぶるかるのではないかと不安だった。常に状況はどうなのか、
少し先がどうなっているのか教えてほしかった
・ゴールまであとどれくらいなのかを教えてほしかった。
・行動の指示をする際は、何センチとか90度など具体的に言ってほしかった
・声がなくなる時があり、このまま進んでも大丈夫なのか、声掛けがほしかった

最後にアクティビティからの気付きをもとに、実際の仕事につなげて
考えていただくと以下の学びがあります。

・情報を持っていない部下やメンバーに対して指示を出す時に、
やる事を伝えるだけでなく、ゴールとゴールまでのプロセスを伝える
ことが重要
・現状をできる限り伝え、また少し先に行う事も相手に伝えることで、
相手に安心感を持って行ってもらうことができる
・相手の立場に立ち、相手の状況を常に確認することが大事
・指示を出す時には、相手が分かりやすいように具体的・定量的に指示をする
・一方的に指示をするのではなく、相手が分かっているか、どういう指示を
してもらいたいかを確認することが重要

このアクティビティは、上司や先輩として部下やメンバーに対して指示を
出す時に、相手の立場に立って、相手が安心感を持って自ら前向きに目標に
向かえるように指示をすることの重要性を納得感を持って理解してもらう
際に有効です。頭では重要性分かっていても、実際に体験学習でやってみると
できない、特に競争や成果が求められると忘れてしまうことを強く感じてもらう
ことができます。

ブラインドコミュニケーションでは以上の気付きを出すために仕掛けを設定
することが重要なので、ご紹介します。

・指示を受ける側が目隠しをすることで、情報の格差ができる状況をつくり、
状況を分からなくさせる
・目を開いた人のみにゴールを伝えることで、目隠しの人がゴールを分からない
状況にする
・他のペアと競争をさせることで、目を開いている人が、成果を意識することで、
相手の立場を考えずに指示を出してしまうようにする
・スタートからゴールまで歩かせることによって、目隠しをしている人は、
周囲の状況が変わり、現在とこれからの状況が分からないことで不安が増大する。
・障害物を設定することで、目隠しの人はぶつかる可能性があり、不安が増大する。

ぜひ、社内の研修でも試していただき、参加者の方からどのような気付きが
あったか教えていただければうれしいです。

0 件のコメント:

コメントを投稿